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ソフトメカグループ

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グループ紹介

  ソフトメカグループではゴムなどの柔軟な素材を用いたソフトアクチュエータを開発し,医療・福祉機器への応用を進めています.また,人工筋肉を組み合わせてタコの足やゾウの鼻のような柔軟物だけで構成された複雑な動作を行うソフトパワーアクチュエータの開発も行っています.それだけではなく,音波を使用してバルブを制御すると同時にアクチュエータ自体が発電を行い,電力を補う空圧制御システムの開発やメカナムホイールを用いた農耕地走行車の開発も進めています.

研究内容

Active内視鏡

  近年,大腸癌をはじめとする大腸疾患は増加傾向にあり,早期発見の手段である大腸内視鏡検査の重要性は高まっている.しかしながら,大腸は柔軟で複雑な構造をしているため,大腸内視鏡の挿入は困難であり,医師の技量に大きく依存している.
  本研究では,内視鏡の大腸挿入支援のためのアクチュエータとして,柔軟素材を用いた空気圧で駆動するチューブ状のアクチュエータの開発を行っている.チューブ状のアクチュエータを既存の内視鏡に螺旋状に巻きつけて装着することにより,挿入支援を可能にする.設計,開発において,非線形有限要素法を用いることで,内視鏡への搭載に適した断面形状を導出した.

アクチュエータの断面形状

大腸ファントムへの挿入実験

ハウス圃場全方向移動ロボット

圃場での走行実験

  農業機器の移動機構には車輪型,クローラ型が広く採用される.しかし,ハウス圃場内の畝間のような狭い走行空間には不適切である.そこで狭い場所でも全方向移動可能なメカナムホイールを採用し,移動ロボットの設計・試作を行った.移動ロボットの外形寸法は幅930mm,奥行き440mm,高さ280mmであり,総質量は80kgである.
  一般にメカナムホイールは,不整地の凹凸面での走行が困難と言われるが,実際の圃場での適用可否に関する実証例は極めて少ない.そこで本研究では,実際の圃場において試験を行い,不整地での走行性能を実験的に検証した.特に不整地に対する各ホイールの均等接地を実現するため,ピボット機構を開発し,有効性を確認した.また250Wの大出力モータを採用し,圃場において走行実験を行った.走行実験の結果,圃場での安定した走行に成功し,良好に走行できることを確認した.

胃部X線透視検査用圧縮ソフトメカニズム

  胃部X線検査において鮮明な画像を撮影するために患者の腹部圧迫が実施される.圧迫によって胃の形状や傾きが変わり,胃内のバリウムが移行・拡散してひだ像や病変を鮮明に描出することができる.現在は腹臥位姿勢をとった患者の腹部と診察台の間に丸めたタオルを設置することで圧迫を行っているが,圧迫量の調整はできない.また,腹部の圧迫・撮影姿勢の長時間の維持は患者にとって大きな負担となる.
  本研究では安全かつ効率的な胃部X線検査の実現を目指し,腹部圧迫ソフトメカニズム(圧迫袋)を開発した.この圧迫袋は内部にアルミラミネートフィルムを用いた2つのバルーンを有しており,それぞれに空圧を印加することで,高さを2段階に調整することができる.圧迫袋の身体接触部には柔軟素材である綿製帆布を用いているため,身体に対する親和性が高い.また,X線透過性が高いため,X線透視下での使用が可能である.
  この圧迫袋を用いてX線透視下においてボランティア試験を行い,従来の手法と同等で鮮明な胃粘膜像の取得に成功した.

製作した圧縮袋

圧縮袋

伸縮人工筋複合による索状アクチュエータ

サンプル画像

  近年,形状適応性を持つ把持機構の研究が盛んである.中でも,駆動源に人工筋を用いた把持機構は軽量かつ高出力であるため注目を集めている.
  本研究では,重量物の把持と多方向への巻きつき動作の実現を目標として,人工筋を6本組み合わせた7m索状アクチュエータを製作した.このアクチュエータは中央にある1本の収縮筋とその周囲に伸長筋を5本配置した構造となっており,水圧を印加することで多方向への湾曲動作が可能となる.使用した人工筋はFEM解析により最適化を行い,人工筋の直径と編み角を決定した.また,人工筋の末端には従来の金属端末ではなく,ゴム端末を用いることで索状にした際の柔軟性を向上させた.
  製作したアクチュエータを用いて巻きつき把持動作と水上での任意方向への湾曲動作を確認した.