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流体プロセスグループ

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グループ紹介

  流体を使用するプロセスに関するデバイスの研究を行っています。微小空間での化学反応を目的としたマイクロリアクタの開発、圧電薄膜を成膜する水熱合成法と水熱合成法を利用した圧電デバイスの研究を行っています。

研究内容

エマルション製剤生成を目的とした超音波振動マイクロ流路デバイスに関する研究

  食品,化粧品,医薬品,石油化学などの分野において,エマルション化 (乳化) は重要な役割を果たしている.薬剤分野では,水への溶解度が低い薬剤を油に封入し,水中に微細な液滴として分散させることで,薬剤の溶解性を改善することが出来る.
  本研究では,T字マイクロチャネルデバイスと超音波振動デバイスを用いたフロー型エマルション製剤生成デバイスの開発を行った.高周波超音波を用いることで騒音がなく,フロー型にすることで無菌性を保つことができる.
  超音波振動デバイスは,マイクロ流路内により大きな圧力を加えることを目的とし,有限要素法を用いて設計した.設計・製作した超音波振動デバイスを用いてエマルション生成実験を行った.水相と油相の流量をそれぞれ100 [μl/min],10 [μl/min]とし,駆動周波数2.3 [MHz],印加電圧100 [Vp-p]時に,200 [nm]の平均液滴径を有するエマルションの生成を実現した.

エマルション

アクティブスラグ流システムの開発とマイクロ化学プロセスへの応用

スラグ流

  近年、マイクロリアクタ(Miocro Reactor:MR)を用いたマイクロ化学プロセスの研究が盛んに行われている。MRは、反応時間の短縮、化学反応効率の向上、さらにプロセスの簡略化が同時に達成できると期待されている。
  本研究では、均一迅速反応を実現する新しい化学反応プロセス“Micro Beaker Process(MBP)”を提案した。新たに開発した電磁駆動マイクロバルブを用いてスラグ流生成/分離システムの構築、実証実験を行った。
  本バルブでは、電磁力の高応答・高発生力を利用することで流量や粘性に依存せずスラグ長の制御が可能である。水油を用いたスラグ流生成実験により、内径0.5mm内のチューブにおいてスラグ長を0.5 mm~4.0 mmの範囲で任意に生成できることを実証した。さらにスラグ流分離実験において、従来手法であるセトラーと性能を比較した。実験の結果、流体の物性に依存せず分離できることを確認し、本システムの優位性を示した。
  実際の化学プロセスにおけるMBPの効果を実証するために本プロセスを用いて次世代の透明電極材料として期待されるリン酸化スズコロイド粒子を効率的に合成できる可能性を示した。

超音波ねじり振動子を用いた液体流れ場内への微小液滴生成

  タッチパネルの電子材料やマイクロカプセルの薬品などの多くの分野においてナノ粒子が利用されている。ナノ粒子を高精度かつ高効率で生成するためには、液体流れ場内にマイクロオーダーの単分散液滴を生成する工程が必要となる。本研究では、ボルト締めランジュバン型ねじり振動子と微小孔板を用いて液体流れ場内に単分散な液滴を生成する。
  始めに、有限要素法を用いて液滴生成デバイスを設計・制作した。微小孔板は安定的に液滴が生成できるよう突起形状とした。連続相にn-ドデカン溶液、分散相に純水を用いて液滴生成実験を行った結果、液体流れ場内に効率的に単分散な液滴の生成を実現した。分散相の印加圧力0.13MPa、駆動周波数37kHz、微小孔の振動速度96.5mm/sにおいて、平均直径51.3m、変動係数3.6となった。
  次に、生成される液滴径に影響を与えるパラメータを調べた結果、液滴径は駆動周波数あるいは分散相の印加圧力によって制御が可能であることが分かった。また、液滴が単分散となるための生成条件を明らかにした。

液滴

振動子

医療用プローブへの応用を目的とする水熱合成PZT薄膜を用いた超音波トランスデューサに関する研究

プローブ

  近年、カテーテルを用いた血管内低侵襲治療が広く行われており、カテーテル先端で血管内の情報を獲得する必要がある。しかし現在の血管内超音波診断装置(IVUS)では血管内側方部の可視化は可能であるが、血管内前方の可視化は実現されていない。
  本研究では、前方を可視化するIVUSへの応用を目的とした超音波トランスデューサを作製した。超音波発信源であるPZT薄膜は水熱合成法により生成した。半径1mmと半径5mmの半球状超音波トランスデューサを作製し、水中での超音波送信実験により超音波の指向性を評価した。その結果、単一素子低指向性超音波トランスデューサを実現した。